
老化を防ぐ手術 [老化があらわれやすい目元] |
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加齢によって生じるたるみ。なかでも目元は、しわはもちろん、年を重ねるごとにたるみが顕著になる箇所です。
ヒアルロン酸注入などを行うことで目元にハリをもたせれば、ある程度若々しい印象を保つことは可能ですが、たるみによって皮膚が伸びてしまっている場合は、もはや注入療法だけで改善することは不可能です。その場合は、やはり手術という選択肢が望ましいといえるでしょう。
たるみには、上眼瞼のたるみと下眼瞼のたるみがあります。上眼瞼のたるみには3種類あり、それぞれ原因やたるみの状態が異なります。
上眼瞼のたるみ
ひとつは誰もが多かれ少なかれ経験する、加齢による「皮膚のたるみ」。加齢により皮膚が徐々に下垂し、たるむという症状です。目の周囲には、皮膚の下に眼輪筋(がんりんきん)という筋肉があり、それが目の周りをぐるりと取り囲んでいます。
皮膚によるたるみは、眼輪筋が加齢によりだんだんと衰えていき、重力方向に徐々に下がっていくことで、助長されることもあります。皮膚のたるみが進行すると、上眼瞼が重たい感じになって目の上にのしかかるようになり、眼が開けづらくなります。この場合はたるんだ余分な皮膚を切除するという手術が行われます。
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もうひとつは「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と呼ばれる症状です。上眼瞼には、眼を開ける際に使う、眼瞼挙筋とよばれる筋肉があり、眼輪筋下の瞼板と呼ばれるところに接続されています。それが瞼板から外れてしまい筋肉の力がうまく瞼板に伝わらなくなってしまう状態が、眼瞼下垂です。
皮膚のたるみと同様、上眼瞼が重たい感じになり、眼が開けづらくなります。眉毛を上に持ち上げようと前頭筋を使うので、肩こりや頭痛などの不定愁訴を併発することもあります。眼瞼下垂には先天性と後天性があり、後天性の場合はなんらかの原因で眼瞼挙筋と瞼板の接続部が緩んでしまうことが原因です。40代の人に多くみられる症状で、コンタクトレンズを長期に渡り使用していた人は発症しやすいともいわれています。
眼瞼下垂は、眼瞼挙筋と瞼板を再度繋ぎ合わせる手術を行います。緩んでいる場合は、眼瞼挙筋を短くして詰めてから瞼板につなぎます。
最後は額のたるみが原因でおきる、上眼瞼のたるみ。加齢により、額の皮膚が下方にたるむことで眉毛も下がり、それにより上眼瞼も下垂するというものです。この場合は、前額のリフティング手術によって改善することが可能です。
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![老化を防ぐ手術、ヒアルロン酸注入[老化があらわれやすい目元]](image/p95_01.jpg) |
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上眼瞼のたるみのうち、皮膚のたるみは「切開法」という手術で改善します。切開法は本来、二重手術のための治療法。
上眼瞼を目頭まで切開して二重を形成するという方法です。下垂した上眼瞼の皮膚を一部切除し、場合によっては中にある脂肪を取り除きます。手術後は覆いかぶさっていた皮膚がなくなるため、目元がすっきりし、視野も広がります。上眼瞼の皮膚のたるみ取り手術はおよそ30分で完了します。眼瞼挙筋を瞼板に繋ぎ合わせる、眼瞼下垂の手術「挙筋腱膜修復術」は、約1時間かかります。
いずれも手術後は赤い傷跡が1〜3カ月程度残るほか、眼瞼を切開するため、術後2〜3日はかなり腫れがあり、2週間でだいぶ腫れはおさまります。眼瞼下垂の手術のほうが、より腫れが長引きます。手術後から再び皮膚はたるみ始め、眼瞼下垂の場合は、また眼瞼挙筋が緩んでしまう可能性もあります。そのため効果の持続期間は人それぞれですが、たるみを取る手術を受けた人と、そうではない人では、10年後の目元の雰囲気、若々しさが明らかに異なります。
以上のように、上眼瞼のたるみはさまざま。自分の上眼瞼にみられるたるみが、皮膚のたるみが原因なのか、それとも眼瞼下垂なのか、または額のたるみによるものなのかは、容易に判断できるものではありません。誤った自己判断は、適切な治療や治療時期を逃すことにもなるため、必ず医師による診断を受け、適切な手術を受けることが大切です。
下眼瞼のたるみ
一方下眼瞼のたるみは、baggy eye(バギーアイ)と呼ばれ、脂肪がぼこっと飛び出してしまっている状態を指します。眼には瞼板の下に眼窩隔膜という膜があり、その膜が加齢によって衰えることによって、その膜に包まれている眼窩脂肪が前へ飛び出てしまいます。それがbaggy eyeです。脂肪が飛び出ているため、光の加減で目元のクマが目立つことがあります。
下眼瞼のたるみ(baggy eye)は睫毛の際を切開して脂肪を取り除き、たるみによってたるんだ皮膚が余っている場合はそれを切除して縫い縮めます。手術時間はおよそ1時間。上眼瞼の手術と同様、手術後は赤い傷後が1〜3カ月は残り、腫れも生じます。手術が嫌だという人には、ヒアルロン酸を注入する方法もあります。その際は、脂肪が飛び出ている部分と、そうではない部分の境界部分にヒアルロン酸を注入して、見た目の改善を図ります。
しかしbaggy eyeの根本的な改善にはならないほか、ヒアルロン酸はいずれ吸収されてしまうため、継続して注入する必要があります。 |
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へこみすぎない方法−ハムラ法
前述の下眼瞼のたるみをとる手術は、余った脂肪を切除するという方法です。ところが脂肪を切除することで、逆に目の下全体が陥没してしまうことがあります。たるみはなくなるものの、目の下が落ち窪んだような状態になり、一層老けた印象を与えることになり兼ねません。それを回避すべく開発されたのが「ハムラ法」という手術方法です。
ハムラ法とは、アメリカのDr.Hamra(Sam T.Hamra,M.D.)が1990年代中ごろに発表した手術法で、たるみの原因となっている脂肪を完全に除去せず、過剰な脂肪を引き出し、眼窩縁の骨骨膜に固定します。これにより「目のクマ」の溝が消失し、フラットで張りのある下眼瞼を取り戻すことができます。通常、下眼瞼のたるみを改善する手術では、目の下から飛び出して見える眼窩脂肪の切除を行うのが一般的ですが、ハムラ法では、たるんだ脂肪組織を引っ張り、眼窩縁の骨膜に糸で固定するという、まったく異なる手術法でたるみを改善します。脂肪を切除しないため、目元に一定のボリュームを保つことが可能で、ハリのある若々しい目元をキープすることが可能になります。
但し、脂肪を切除しても目元が落ち窪む可能性のない、比較的年齢の若い人の場合、通常の下眼瞼たるみ取り手術のように無駄な脂肪を切除してしまったほうが、目元がすっきりすることもあり、すべての人にハムラ法が向いているわけではありません。ハムラ法が向いている人はbaggy eyeの程度が強く目立つ人、痩せ型で骨格(骨の輪郭)がはっきりしている人などです。
手術時間は約1時間半で、通常の下眼瞼たるみ取りの手術と比べ、剥離する部分が広いため、手術時間は長くなります。また、術後は内出血や腫れが1〜2週間続きます。その程度はやはり通常の方法を上回るでしょう。
すでに述べたように、手術法によって向き不向きがあり、適応と不適応な人がいます。手術を選択する際は、まず医師とよく話し合い、適切な方法を選択するようにしましょう。
(形成外科専門医:小室祐造)
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ハムラ法
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ハムラ法
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ハムラ法
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