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 ーンオーバーの活性化 [ケミカルピーリングという治療]
肌質が改善できる治療法として、10年来人気を博しているのが「ケミカルピーリング」です。
ピーリングとは皮膚の角質(場合によっては真皮層まで)を除去する治療法で、フルーツ酸などのピーリング剤を用いて、皮膚に化学的な反応を起こさせるもの。そういった治療を総称して「ケミカルピーリング」と呼んでいます。蓄積された古い角質を除去し、新しい皮膚細胞を作り出させることが目的。そうすることで皮膚の新陳代謝を整え、肌質の改善をはかります。ニキビしわくすみに効果的です。
ケミカルピーリングは、使用する薬剤によって作用する範囲や効果が異なります。主に、表皮にのみ作用するもの、真皮層まで作用するもの、さらにその下層に作用するものという3つに分かれます。
表皮にのみ作用するピーリングの期待できる効果は、ニキビ小ジワシミの改善。表皮に作用するピーリングの主なものにはAHA(アルファハイドロキシ酸)を用いたピーリングがあります。AHAは通称フルーツ酸と呼ばれているもので、リスクが低いことから、現在日本におけるケミカルピーリング剤の主流となっているもの。日本人の肌は白人に比べ、深部までピーリングを行うと色素沈着を引き起こしやすく、傷跡が残る確率も高いため、リスクの低いAHAピーリング剤が適しています。
現在、AHAはピーリング剤として用いられるほか、石けんや化粧品などにも配合されています。AHA(フルーツ酸)はその名の通り、植物や果物から取れる酸を用いています、リンゴから採れるリンゴ酸や柑橘類から採れるクエン酸などがあります。
AHA(フルーツ酸)は濃度によって作用が異なり、高濃度のものは主に表面の角質の剥離を促し、低濃度のものは、何層にもなっている角質層の肥厚を予防する効果があります。
ターンオーバーの活性化─ケミカルピーリングという治療
クリニックで行われている最近のケミカルピーリングでは、AHA(フルーツ酸)同様にリスクが低く、またより皮膚浸透力が高いグリコール酸(原料さとうきび)や乳酸(原料サワーミルク)が多用されています。グリコール酸は乳酸よりも分子量が小さいため肌の浸透がスムーズ。毛穴にすみやかに浸透し、皮脂を効果的に除去することで皮脂の貯留を防ぐほか、毛穴を収縮させる効果もあります。主な治療対象は、ニキビ角化症、細かいしわです。
一方乳酸を用いたピーリングの治療対象は、くすみしみ。それ以外にも、角質層のセラミド量を増加させて保湿効果を高めたり、皮膚の弾力性を高めることでシワを抑制する作用があります。乳酸ピーリングはグリコール酸ピーリングよりも施術後の炎症反応が少ないため、肌の弱い人や高年齢の人でも安心して行えるところがメリットです。
AHAやグリコール酸、乳酸によるケミカルピーリングを行う際は、まず洗顔をして化粧を落としてから薬剤を顔に塗布します。ケミカルピーリングは、皮膚が酸性かアルカリ性かで効果が異なるほか、脂膜が残っていると期待できる効果が出ないこともあります。そのため、術前はきちんと洗顔を行う必要があります。薬剤を塗布して数分後、角質が柔らかくなったところで角栓(皮脂が溜まったコメド、ニキビの原因)をひとつひとつ除去し、それから中和を行い、再度洗顔をしたら完了です。所要時間は30分〜1時間程度で、その後化粧をして帰ることも可能です。治療は1〜2週間に1度行い、全5〜6回行うのが望ましいでしょう。
術後は顔が赤くなったり、ターンオーバーが促進されて皮膚がむけることがありますが、しばらくすればおさまります。
真皮層にまで作用するケミカルピーリングは、TCA(トリクロール酢酸)を用いたピーリングで、別名「ブルーピール」と呼ばれています。主にシワ、ニキビ跡の改善に効果を発揮するもので、AHAよりも効果が高い分副作用も強く、AHAのように化粧品に配合されることはありません。形成外科などの専門知識を有する施設でのみ行われている治療法です。真皮層の繊維芽細胞に刺激を与えることでコラーゲンやエラスチンを増生させるほか、細胞の基底層に働きかけて新たな細胞の産生も促します。
ピーリングの手順は前述のAHAと同じですが、薬剤塗布後、ピリピリとした痛みを感じます。血管のある深さまで真皮を剥がすため、術後はガーゼによる保護が必要です。AHAのように術後すぐに化粧をすることはできません。術後3日目くらいから皮膚が剥け始め、1週間で新しい皮膚が出現しますが、その間紫外線にあたってしまうと色素沈着の原因となるためUVケアは徹底的に行う必要があります。術後約1カ月〜1カ月半で新しい皮膚が再生されます。
症状により治療回数は異なりますが、だいたい3〜5回程度が目安でしょう。すでに記載したように、日本人のような有色の肌は色素沈着を引き起こしやすい性質があり、作用の強いブルーピールはリスクが高いため、あまりおすすめできません。ブルーピールは、どちらかといえば白人に向いている治療法といえるでしょう。そのため、現在日本ではあまり行われていません。
さらに真皮層にまで作用する、ブルーピールよりも強いピーリングがありますが、現在はレーザーによる治療法なども多数あり、あえてAHAよりも強いピーリングを行うことはほとんどありません。
ケミカルピーリングは、いずれも酸の種類や濃度によって術後の経過はさまざま。炎症を起こすこともあるため、専門の医師による適切な治療が必要です。AHAなどのマイルドなピーリングであれば、ほとんどの人に適用可能。ただし、炎症性のニキビがある人は、ピーリングによって悪化する可能性があるため、症状が落ち着いてからピーリングを行うようにしましょう。色素沈着を起こしやすい人は注意が必要なほか、新たに色素沈着を起こさないよう、ケミカルピーリングを行った人はすべて、UVケアを徹底して行うことが大切です。
イオントフォレーシス
ピーリングと併用すると効果的な治療としてイオン導入があります。イオン導入とは、専用の機器を用い、プラスとマイナスの電力(電位差)によって、ビタミンCなどの成分を肌の真皮層まで浸透させる療法。ケミカルピーリングを行うと皮膚の角層が薄くなるため、通常よりも薬剤の浸透が良くなります。ケミカルピーリング後に用いることで、相乗効果が得られ、より成分を有効に皮膚内に届けることができます。
イオン導入に用いられるのは「ビタミンC誘導体」。市販の化粧水や美容液は、それらに含まれる保存料や防腐剤などが、かえって肌にダメージを与えてしまうことにもなるため用いることはできません。ビタミンCの主な効能に関しては、すでに紹介していますが、抗酸化作用があり、美肌には欠かせない成分として多くの人に知られています。イオン導入は、ビタミンCを肌に直接塗るよりも、数十倍、数百倍も高い効果が得られるといわれており、ビタミンCを確実に肌に浸透させることができる有効な手段です。現在自宅ケア用のイオン導入器なども販売されていますが、クリニックの機器のほうが、パワーが数段上。浸透力が高く、より高い効果が期待できます。治療として受けるのならクリニックのイオン導入器で、その延長として行う自宅ケアには市販のものを用いる、というのがおすすめです。
(皮膚科専門医:青木恵理)
*ケミカルピーリングの手順*
(1) お化粧を落とします。 メイクが残っていると薬剤の浸透が悪くなりますので、メイクを残さないようにしっかりと、やさしく洗顔してください。(あまり強いと逆に刺激が強すぎてしまいます) ターンオーバーの活性化─ケミカルピーリングという治療
ターンオーバーの活性化─ケミカルピーリングという治療
(2) 医師の指導した薬剤(AHA、BHA)を塗布します。処方で濃度が決められます。 ニキビなどの症状や部位によって濃度を変えたりすることもあります。この時の濃度、塗布時間によって浸透を調整しています。
(3) 指定の時間後、皮膚をクーリルダウンさせながら薬剤を中和させ除去します。角質が柔らかくなったところで各栓(皮脂が溜まったコメド、ニキビの原因となる)をひとつひとつ除去します。
【ダウンタイム】
ほとんど全ての人にありませんが、デリケートな部位には赤みが数時間から数日の残る場合があります。ケミカルピーリング直後は一時的に化粧のりが悪くなることがあります。角質の除去が推進されるためですが数日のうちにおさまります。
治療直後はお化粧をして帰っていただいても差し支えありません。また日焼けをされるとダメージを受けやすいので御注意ください。
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