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 ・皮膚という臓器。

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 「皮膚」という臓器。
健やかな肌を保つために、知っておきたいのが皮膚の基本的な構造や仕組み。それらの知識を身に付けることは、自分の皮膚状態を把握することに大いに役立ちます。また、セルフケアが効果的になり、医師による治療もより理解しやすくなります。
皮膚は24時間365日、体の中で唯一外気にさらされている場所。皮膚の総面積は、成人で約1.6平方メートル、重さは約3kgもあるといわれています。そのため、体のなかで一番大きな臓器と呼ばれています。
皮膚は、単に体の表面を覆っているだけではありません。さまざまな臓器や器官を保護している大切なものです。体に不可欠な水分を保つほか、外界から襲いかかる微生物や科学物質などを防御し、感染を防ぐ役割も果たしています。また、暑いときは汗腺をゆるめて汗を排泄し、寒いときは血液の供給を抑えることで体温を調節しています。さらに痛みや、熱い・冷たいという感触のシグナルを脳に送り、それによって私たちは危険物をいち早く察知し、それらを避けることができるのです
皮膚の役割や働きを理解するには、一番身近な顔の皮膚を思い浮かべてみると簡単です。頬を触ると感じる肌の弾力。これは皮膚に下に、肌のハリを保つためのコラーゲン線維やエラスチン線維が蓄えられているからです。また、皮膚が適度に潤いを保っているのは、汗と皮脂が分泌され、自然の保護膜が皮膚に作られているからです。肌がつねに潤いを保ち、水分を失わないのは、皮膚が水分の蒸発を防いでいるから。さらに、皮膚は常に表面を酸性に保つことで、あらゆる細菌による侵入を防ぎ、肌のトラブルを回避しています。そうしてバリア機能を働かせることで、常に健やかな皮膚を保っているのです。
このように皮膚には、実は重要な役割がたくさんあるのです。
なかでも顔は、神経と皮脂腺が特に多い箇所。基本的な皮膚の構造は体の他の箇所と変わりませんが、毛細血管が細く、目の周囲や唇の皮膚は薄くて額や顎先の皮膚は厚いなど、顔ならではの特徴がいくつかあります。いわゆるTゾーンと呼ばれる額や鼻は油分が多く、頬と顎は油分が少ないというのも特徴のひとつ。顔の皮膚は非常に精巧なつくりになっているのです。
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層から成っています。表皮の一番下層で新しい皮膚細胞が作られ、上の層へ押し上げられていき、最後に一番上の層から古い細胞が垢となってはがれ落ちる、この一連の流れ(ターンオーバー)によって、私たちの肌は常に生まれ変わっているのです。表皮を下から支える「真皮」は、肌の弾力に欠かせない結合繊維が交錯している層です。
代謝と循環・皮膚という臓器
水分を多く含んでいるほか、酸素やさまざまな栄養素を供給するための毛細血管も多く集まっています。神経や汗腺、皮脂線があるのも真皮です。真皮のさらに下、皮膚の最下層にある「皮下組織」は、皮膚と筋肉、骨の間にあたる部分で、皮下脂肪が蓄えられている場所。外からの衝撃を和らげるクッションの役割をし、体温やエネルギーを温存しています。
代謝とターンオーバー

私たちの体内の細胞は、細胞分裂をくり返し、日々新しく生まれ変わっています。新しい細胞が増殖し、古くなった細胞は排泄される、その繰り返しが新陳代謝と呼ばれるものです。この新陳代謝がうまくいかないと、体内に老廃物が溜まってしまい、さまざまなトラブルの原因となります。
皮膚に関していえば、すでに紹介したとおり、表皮の最下層で作られた細胞が、形を変えながら上層へ押し上がり、 角層になるまでに4週間、最後にアカ(頭皮の場合はフケ)となってはがれ落ちるまでに6週間かかります。一連の流れを新陳代謝、ターンオーバーと呼んでいます。このサイクルがスムーズであれば、美しい状態の皮膚を保つことができるといわれています。
ところが年齢を重ねるごとに徐々に代謝機能が衰えることで、ターンオーバーのサイクルは長くなってしまいます。20代では約28日周期だったターンオーバーも、30代になると約40日周期、40代では約55日周期になってしまうといわれています。特に女性ホルモンが減少する40〜50歳代は、ターンオーバーのサイクルが乱れやすくなる時期だといいます。また同様に、皮膚の水分量も年齢とともに変化します。赤ちゃんのときには約80%だった水分量も、20代では75%、30代、40代、50代と減少し続け、60代では60%以下になってしまうといわれています。
さらにターンオーバーは、年齢に関係なく、紫外線や乾燥、温度変化などの外的要因、偏った食事や睡眠不足などの生活環境、ストレスなどの内的要因によって周期が乱れてしまうものでもあります。
ターンオーバーの乱れ方によって、生じるトラブルの種類も異なります。例えばなんらかの理由でターンオーバーのサイクルが早くなってしまった場合。細胞が未成熟のため、角質層を保護する力が弱く、外的刺激を受けやすい状態ができあがってしまいます。結果、角質層に存在すべき天然保湿因子(NMF)や脂肪間脂質の量が少なくなってしまい、乾燥肌などのトラブルが生じます。これを一般的には「バリア機能の低下」と呼んでいます。また、ターンオーバーのサイクルが早まると、ターンオーバーの過程でタンパク質から分解されてつくられるアミノ酸(角質層に存在し、肌の水分を保持する天然保湿因子の主成分)も、必要な量が十分に作られません。天然保湿因子の減少、果てはバリア機能の低下につながります。
バリア機能が低下すると、がざらついたり、乾燥するほか、しわが悪化したり、ニキビができやすくなったりします。肌荒れや皮膚炎を引き起こすこともあり、決して軽視してはいけないもの。ターンオーバーの乱れが、肌に与える影響は多大なのです。
逆にターンオーバーのサイクルが遅くなることもあります。基底細胞が活発に分裂しなくなることが原因で、その場合、本来排泄されるはずの古い角質がうまくはがれ落ちず、どんどん硬化して留まってしまうという結果を招きます。角質の肥厚が起こると、肌がごわつき、透明感のないくすんだ肌になってしまいます。
このように、ターンオーバーのリズムが乱れると、皮膚のコンディションが悪くなり、バリア機能が低下して、さまざまなトラブルが起こってしまいます。また、紫外線を吸収するメラニンも、本来はターンオーバーによって排泄されるもの。ターンオーバーが正常に行われないと、皮膚内に留まってしまい、シミの原因になってしまいます。
ターンオーバーを乱れさせる原因はさまざまなので、一概に「解決策はコレ」と言うことはできません。しかし栄養が偏ったり、睡眠不足が続くことが原因ともいわれていることから、まずは規則正しい生活を送ることが一番の策といえるでしょう。また、肌の汚れをとり、マッサージやパックによって余分な古い角質を落としたり、水分を補給して、角質層のコンディションを整えることも乱れたターンオーバーのサイクルを正常に戻すためには大切です。皮膚の新陳代謝能力をアップさせ、新しい健康な皮膚細胞をどんどん生成させることで、表皮の不要な角質をおしあげて、なめらかな肌を取り戻すことができます。
【皮膚にまつわるキーワード】
● 表皮 皮膚の最上層にある層で、厚さは0.2mm程度。
● 基底層 表皮の一番下層。核をもった細胞が一列に並び、真皮から伸びる毛細血管によって栄養を
補給され、細胞分裂を繰り返している。
● 有棘層 基底層の上の層。多角形になった細胞同士が密接に連結され、細胞間は組織液で満たされている。
● 角質層 核を失った扁平な細胞が密着している。
● メラノサイト 基底層の間にある色素形成細胞。紫外線が当たると、メラニン色素が生成される。
● 天然保湿因子 別名NMF。角質層内において水分保持を担っている。
● 細胞間脂質 同じく角質層内に存在する。角質層から水分が失われるのを防ぐ役割を担っている。
● コラーゲン 真皮層内にある、肌のハリを保つ繊維。
● エラスチン 真皮層内にある、肌の弾力を保つ繊維。
● ヒアルロン酸 肌の弾力やみずみずしさを保つために欠かせないもの。コラーゲンとエラスチンの間を満たしている。
● 汗腺 汗を排泄する管。エクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類があり、皮膚表面や毛穴から
汗を分泌している。
● 皮脂腺 真皮層にあり、皮膚に必要な脂分を分泌する管。分泌した皮脂は、毛穴を通って外に排泄される。
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